サカナの辞意

ADHD持ちが映画や漫画を語るブログです。

【映画感想】ヴェノム

※批評でもレビューでもありません。素人のただの感想です。

11月25日、新宿バルト9にて観賞。

ヴェノム、ヴェノムといえばサム・ライミ版のスパイダーマンに出てなかったっけ?黒くてイカつい顔のやつだよね?くらいの知識しかない状態での観賞。

事前にPVやらなんやらである程度の情報は得ていたものの、特に深い知識も思い入れもない。
こんなことを書くとアメコミファンにブッ飛ばされるかもしれない。ごめん。

観賞前にヴェノムコラボ商品「黒い闇つきドッグ」なるものを食す。真っ黒なソーセージが挟まれたホットドッグ。パンが固い・・・キャプテンアメリカの意思のように。


以下本編感想。ネタバレ含むかも。

主人公は正義感に燃えるジャーナリスト、エディ・ブロック。
彼はある日、慈善事業の裏で宇宙生物を使った危険な人体実験を行う「ライフ財団」に対する健全な取材を任される。

ボスからも「全年齢対象でな?な?絶対やめろよ?ち◯ことか出すなよ?絶対だぞ?」と念を押される。ダチョウ倶楽部か。

こんなフリされたら乗らざるをえない。全力でいきます!と言わんばかりにライフ財団の弁護を請け負うこととなった恋人のパソコンを勝手に覗き、機密文書を発見。その情報をもとに追及取材を敢行。

案の定クビ&業界追放、恋人も失職、もちろん愛想も尽かされ、安アパートでほぼニートな生活を送ることとなる。あたぼうよ。こちとらトムハーディーでぃ。

貧乏な上に無力。顔馴染みのコンビニに強盗が入っていてもおとなしく身を潜め、隣の部屋から聞こえてくる大音量の音楽にも文句一つ言えない。この辺りの無力感の出し方には非常に強いシンパシーを感じた。巧いつくりをしておられる。丁寧語にしたところで上から目線である。すまぬ。

そうこうしていたらライフ財団の人体実験に疑問を持った女性研究員から「ジャーナリズムの名に懸けて、全ての不義に鉄槌を!ってしてみませんか?」って連絡が来る。
※この女性研究員、どこかで見たことがあるなと思ったら「ギフテッド」のエロい教師の人だった。観賞後に嫁さんからこの情報を聞いて、グッズ売り場で「ほんまや!」と大声を出してしまった。恥ずかしい。

女性研究員の手引きでライフ財団の研究所に潜入する主人公。盛大な供連れ。宇宙開発の前に認証システムを強化した方が良い。そして、ここで複数捕獲されている宇宙生物のうちの一匹である「ヴェノム」に寄生されてしまう。

と、ここまでの前置きのくだりが結構(かなり)長い。ストーリーテリングは大事だけど極端じゃない?スパイダーマンホームカミングと足して2で割って欲しい。

※ホームカミングは「もうみんなスパイダーマンしってるよね?もうスパイダーマンが出来上がるくだりなんていらないよね?」って感じで前置きをバッサリいっちゃってる。説明をホームカミング。パンピーなめんな。ごめんなさい!ごめんなさい!やめて!顔は焼かないで!アイムニーガン!アイムマーヴェリアン!

がしかしである。そのあとのアクションシークエンス(これ言ってみたかった)はとてつもなく素晴らしい。
魅せたい画がハッキリしており、キメ画はまるで巨大な浮世絵を見ているような迫力がある。
最終的にヴェノムとは別の宇宙生物「ライオット」と繰り広げられる、盛大なくんずほぐれつ(本当に)は圧巻の一言だった。必見である。

さて、この宇宙生物たちにはそれぞれ自我がある。なので、主人公に寄生した後のキメ台詞が「我々は、ヴェノムだ」となっており、寄生後は宿主と記憶を共有するようだ。
うーん、自分の考えがマッチョで口の裂けた宇宙人に筒抜けというのはどうも寝覚めが悪い。どうせなら美人で鉄腕でナイスバーディーな宇宙刑事が良い。それなら一日中エロこと考えてやる。ここ、どうでも良いくだりです。言いたかっただけ。

なお、このマッチョなヴェノムさん、本来他の星を侵略することが目的なのだが、主人公の正義感に共感したのか、もしくはその境遇に自分を重ねてなのか、割りと簡単に地球を守る側に寝返っちゃうのである。
2時間という制約上、仕方のないことかもしれないが、ホントにアッサリしてるんである。ホントに。
ミギーだって地球の事を知るにつれてゆっくりとその考えを変えて行ったではないか。
なので、ヴェノムが「ダークヒーロー」である所以?動機?が薄く、ストーリー的にはなんだか唐突感が否めない。

とはいえ、考えてみて欲しい。ヴェノムが悪いのではない。我々は「寄生獣」という素晴らしい素晴らしい作品に 、先に触れてしまっていただけなのだ。

※書いてから気づいたが、元ネタは逆(寄生獣がヴェノムを参考にした?)なのかもしれない。ただ少なくとも日本では寄生獣の方を先に読んだ人の方が多いのではないかと思う。